俺は異世界にきたらしい
緑の草に覆われる丘、風に揺れる植物。
丘の向こうから覗く小さな森や澄んだ小川。
美味しい空気、きれいな空。
ここからでは見えないが、聞こえてくる活気あふれる声と香ばしい匂い。
そんな素晴らしい景色のここは…。
「ここは…どこだ…?」
「あははっ、予想通りの反応だね!」
俺の反応をみて、喜んだように朔夜は笑い声をあげた。
「素敵なところだろう?ここは俺らの住んでいたところとは違う世界なんだ!」
ここは金の都をもつと云われる国、オロレグノさ!
朔夜はそう言って嬉しそうに笑った。
「…は?違う世界?」
「そう!地球とか太陽系とかとは違う世界!俺らの住む世界と平行して存在しているんだ!」
平行して。
それはつまり全く関わることのない世界のはずで。
まず現実的にありえない話な訳で。
そんなファンタジーな世界存在しないはずな訳で。
俺はこいつに騙されているだけじゃないのか?
今の技術は凄いからな。これくらいの景色を見せるのも簡単な話なのかもしれない。
「ここは"地球"ではないよ、直樹。言っているだろう?違う世界だと。」
そんな俺の考えを読んだかのように朔夜が答えた。
「わかりやすい顔をしていたよ。それでなくても勇者になってから人の顔を観察するようになったからね。人の考えはおおまかにわかるようになってきた。」
勇者ってヒーローだから恨まれることも多くって、近くの人間信用するのも大変なんだ
そういって朔夜は笑う。
「だからね、信用できる人には近くにいて欲しいんだ。直樹、」
一緒にこの国を救おう。




