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回想は一旦終わるらしい
告白をする前から、俺は朔夜を知っていた。
朔夜はとても有名だったから。
噂はいいものから悪いものまで選り取りみどりだった。
イギリス紳士のようにできたやつだとうわさされれば、その分裏で手をまわしていると囁かれる。
博識だと褒められれば、知ったかぶりだと罵られる。
かっこいいと女子が騒げば、女たらしと陰口を叩かれる。
テストが特にいいわけでも、運動がずば抜けて出来る訳でもないが、器用で賢く、人気のあるあいつはよく噂が飛び交っていた。
そこまで興味のなかった俺は、できたやつなんだな、というイメージをしていただけだった。隣のクラスというのもあり、話したりしたことはなかった。
だから振られてしまった直後は朔夜なら仕方ないか、と割と簡単に諦めた。俺よりいいやつなら対抗しようがないと。
でもあいつは、全然いいやつなんかじゃなかった。
「…!…い!おい!」
「ん…」
誰かに大声で呼ばれ、俺はまぶたを開けた。
すると目の前に朔夜がいて、奥に見慣れない景色が…
「どこだ…ここ…?」
回想の続きはもう少しあとに出てきます




