俺もつれて行かれるらしい
「おい、勇者ってどうい…」
「やばいっ、逃げなきゃ!」
ちょっときてくれ!と朔夜は俺の腕を引っ張って走り出した。
「うわっ!」とんでもないスピードで。
これでも俺はクラスで一番足が速い。
…訳でもないが、best5には入れる速さだ。(実際こないだのスポーツ大会ではリレーの代表として走った)(隣のクラスのやつに抜かされた)
そして朔夜。こいつは行方不明になる前、中学の体育祭で見事にクラスの足を引っ張った。とにかく鈍足だった。こいつの顔がなければ女子に恨まれ、クラスのはみ出しものになっていただろう。(朔夜君なら仕方ないよねっ、とクラスの女子は騒いでいた。)
そんな訳でこいつは俺より足が遅かったはずだ。
なのに…
「ちょっと直樹速く!あいつらがきちゃうだろ?!」
「お前が速すぎるんだよ!!」
なんでこんなに速いんだ!?鈍足の朔夜どこ行った?!
「勇者として鍛えたからね!」
いや、おかしいだろ!1年で、あの鈍足が、どうにかなるわけねえだろ!
「とにかく落ち着いたら説明するからきて!」
「っおい、どこいくきだよ!」
俺はなんとかついて行きつつ叫ぶ。
そんな俺が鬱陶しくなったか、相手にするのが面倒くさくなったか、朔夜は急に振り返ってこっちにきた。
「もうっ!こっちのが早いしいいよね!?」
とんっ
「え…」
うなじに軽い衝撃を感じる。とともに俺の意識がブラックアウトした。
「最初っから俺が運べばよかった。」
よっこらせっと声をあげて朔夜は俺を俵担ぎして、またさっきと、同じスピードで走り去っていったそうだ(通行人A談)




