表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
SHORTで、俺。  作者: SIN
小学校 中学年

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

91/485

出てしまった声

 近所の商店街を抜けた先には、銭湯がある。

 その銭湯の前にはベンチがあって、自動販売機があるのだが、アイスクリームの自動販売機や、お菓子の自動販売機など少し変わったものも置かれていた。

 俺は物珍しさからそこで普通にジュースを買ってベンチに座り、自動販売機を眺めていた。

 すると、銭湯から出てきたオッサンが自転車に跨り、走り出そうとして、ふとアイスクリームの自動販売機が目に入ったのだろう、自転車に跨ったままアイスクリームを買った。

 ペリペリと外装を剥がし、袋をそのままポイッと下に。

 「あっ……」

 短く出てしまった声。

 オッサンはそんな微かな声に反応して俺を見てくると、自転車を漕ぎ出しながら片手を俺に向かってあげた。

 まるで。ゴメン。と言っているような仕草だったので、俺も軽く手を上げて答えた。その瞬間。

 キキィー。

 車がオッサンの横から飛び出してきてぶつかりそうになった。

 オッサンは咄嗟にブレーキをかけて衝突は免れたのだが、アイスクリームは無罪にも地面に落下。

 まだ2口程しか食べていなかったアイスクリームをその場に残し、オッサンは行ってしまった。

 もし、あの時に俺が声を出さなければ、オッサンはアイスクリームをちゃんと食べる事が出来た筈だ。

 余計な事をしてしまった俺は、その罪悪感からオッサンガポイ捨てて行ったアイスクリームの袋と、グシャリと落ちて半分溶けてしまったアイスクリームをゴミ箱の中に入れたのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ