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SHORTで、俺。  作者: SIN
小学校 中学年

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冤罪

 3年の時の担任は、メガネをかけた小太りの、怒ると先に手が出るタイプの人間だった。

 カッと来てから手が出るまでの時間が非常に短く、冤罪であったとしてもそれが分かる頃にはもう叩かれた後である場合が非常に多く、その事に対する謝罪は一切ない。

 そして俺はそんな冤罪被害をクラスで1番多く受けた子供だった。

 何故なら、その担任は組分けを行う際、面倒なのかいつもこう言ったのだ。

 「2人組を作って~」

 ナチュラルにボッチだった俺に友達と呼べる人物等いない。だいたいは最後まで残るのだが、何故か最後まで残ると叩かれるのだ。

 「何でペアも作られへんの!」

 完全に冤罪だ。真犯人がいるとするなら生徒が奇数なのに2人ペアと言った担任自身である。

 ここまでなら毎回最後まで残る俺が悪いのかも知れない。と、寛容になる事も出来た。しかしだ、運動会の出し物の練習中の事、隊列を間違えた生徒が本来俺が立つべき場所にきてしまった。

 間違えたのは完全に相手である。それなのに担任はオロオロとして踊れていなかった俺だけを叩いたのだ。

 まだその理由が「ちゃんと踊れ」なら納得が出来たのだが、

 「あんたがこっちに来るから○○君が踊れてないやないの!」

 と言われ、流石に黙ってはいられなくなった。

 その時、他の先生が駆け寄ってくると、

 「○○君が場所間違ってんのや」

 と、言ってくれた。

 「あ、そうなんですかぁ。すいません」

 担任は後から来た先生に頭を下げ、何故か俺を睨んだ。その顔を見ていると今にも「あんたのせいで怒られた」との恨みの言葉が聞こえてきそうな程だった。

 冤罪で殴られた事に対する謝罪がないまま、今まで何度殴られて来ただろう?それを思い出すととてもじゃないが大人しくする事が出来ず、だからと言って知性の低い小学生の俺が言葉でそれを伝える事が出来る訳もなく、睨み返すと言う方法で講義した。

 「その顔はなんやの!」

 しかし、やっぱり知性が絶望的に低かった。睨み返したって先に手が出る人間を煽るだけにしかならないと気が付けなかったのだから。

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