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SHORTで、俺。  作者: SIN
小学校 低学年

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コロコロ

 丸っこいお菓子、丸っこいパン、丸っこい物、それらは全て祖母により「コロコロ」と命名されていた。

 「今日はコロコロ買って来たから仲良く皆で食べや~」

 と言われても、物品を見ない事にはそれがなにか分からないと言うドキドキ感があった。

 まだそれなら待っているだけで答えが出るんだから良いが、問題なのはコロコロ持ってきて。の時だ。

 ヒントをもらわないと何の事を言っているのかサッパリ分からない。

 その日も祖母はこう言った、

 「コロコロ持ってきて」

 この時点では、いくら思考を凝らしたって何も出て来ない。だからといってそのまま「ヒント頂戴」と言っても「コロコロやんか」と言われるのがオチなのだ。

 「何するやつ?」

 そう始めに聞くと大体は「食べるやつ」「使うやつ」の答えが聞ける。

 「使うやつ」

 使う物でコロコロと呼ばれていたものはそんなにないので、この時俺の頭には当時にコロコロと呼ばれていた物が頭に浮かんでいた。

 「何処で使うの?」

 「お~ふ~ろ」

 風呂場で使うとの答えに、俺は酷く焦っていた。何故なら頭に浮かんでいた物の中に風呂場で使う物がなかったからだ。

 分かったと返事だけして風呂場に向かい、ただ丸い物を探し、目に入ったのは排水溝の所に置かれた髪の毛取り。

 当然それは不正解で「そんなん持って来るな!」と怒鳴られたのだが、それよりも衝撃だったのは石鹸と言う答えだった。

 丸くない物までコロコロと命名するようになった歴史的瞬間を目の当たりにしたのだ。

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