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SHORTで、俺。  作者: SIN
小学校 低学年

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嘘じゃない

 テレビを見ていた時の事、確か「おもしろ映像」とか言う番組だったと思うが、そこにこんな動画があった。

 大笑いしているおばあさんの口から入れ歯がスポンと外れる、と言うものだ。

 当時の俺は、何故かそれが物凄く可笑しくて大笑いした。

 そしてこう思ったのだ、この面白さを伝えたい!

 晩酌をしている親父と母の間に割り込み、俺はかなり細かく説明した。

 「お婆さんが、笑ってて、そしたら入れ歯が外れてん!入れ歯外れる程の大笑いやで!」

 しかし、親父と母の反応はかなり薄く、変わりに後ろにいた弟がクスクスと笑っていた。

 この面白さが通じるのか!

 嬉しくなった俺は弟の方を見ながら、

 「あははははスポン!やで!」

 と、今度は動きもつけて説明する。するとさっきまではクスクス笑っていた弟も大笑いだ。

 こうして弟も俺と同じ衝動にかられたらしい、1階にいる姉の所に向かい、

 「婆ちゃん、笑ってたら入れ歯外れてんて!」

 そう笑いながら説明した。

 随分とスッキリした説明になっていたが、それでも姉は大笑いだ。

 何度も3人で「あははははスポンッ!」と言いながら笑っていると、祖母が自室から出てきて宣言した。

 「笑って入れ歯外れた事なんかないわ!」

 どうやら祖母は自分が笑われていると勘違いしたようなのだが、確かにあの弟の説明ではそう取られても可笑しくはない。実際、姉は祖母の話だと思っていたようだった。

 なら弟の説明の補足を、と思った時、弟からの質問があった。

 「婆ちゃんじゃないの?」

 なんと、弟まで祖母の話だと思っていたのだ。

 俺はちゃんと細かく説明をした筈、なのにどうして伝わらなかったのか。そして祖母は言い出したのが俺であると知ったのだろう、

 「嘘つき」

 と指差し怒った。

 嘘なんかつこうと思っていない。俺はただ面白かった事を……あ。

 「テレビの話やから」

 大事な所の説明を忘れていた!

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