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SHORTで、俺。  作者: SIN
ニート

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480/485

不可解

 いつものスーパーで買い物をしていると、妙な視線を感じた。なんだろうか?と振り返るとヨッシーがいて、特にこっちを気にしている風でもなく普通に買い物をしていた。しかし、その買い物かごの中には何も入っていない。しかも、そのスーパーはヨッシーの家からはそこそこ遠い。

 広告の品を狙って来ているのなら入り口付近にあるセール品のいくつかはカゴの中に入っているのだろうし、夕飯の買い物なのだとしても、入り口に近い方から野菜コーナー、魚コーナー、冷凍食のワゴンがあって、肉コーナーとある。会ったのは更にその奥にある珈琲やお茶コーナーなのだから、何かしらカゴの中に入っていないと不自然ではないか?

 主要な買い物は近くのスーパーで済ませているにしても、お菓子やらジュースを買う位なら近くのスーパーでも良い筈だ。

 だとすると?

 考えられるのは先輩の部屋に行く前の買出し。

 あんな所、出来る事なら行かない方が良い。そう思った俺はたまらずに話しかけた。

 「久しぶり」

 少し大げさに驚いたヨッシーは、

 「あそこから出たんやね」

 と言ってきた。

 あそこというのは先輩の部屋で間違いない。そして俺が行かなくなったのを知っているという事は、やはり溜り場に行っているのだろう。

 「行かん方がえぇと思う……お互いに」

 ヨッシーは数回頷くと俺の後ろをついて回り、スーパーを出ても同じ歩調でついてくるから流石に薄気味悪くなり、スーパーから程近い公園に向かった。

 公園のベンチに座ってしばらく、ヨッシーから話をふってきた。

 「今は何処に住んでるん?実家じゃないんやろ?」

 いや、実家ですけど?

 待て待て、わざわざ教える必要もないじゃないか。

 「なんで?」

 「また溜り場なん?まだアンナコトされてん?」

 いや、実家ですけど!

 それに、アンナコトって言い方!

 「掃除はもう頼まれてへんで」

 ヨッシーは何故か溜り場について詳しく、只管俺の身を案じてくれていた。だから少しでも安心させようとニカリと笑って言うと、ヨッシーも安心したのかニコリと微笑んでくれた。

 それから2週間程経ったある日の事。

 シマの部屋は2階にあり、裏手側の窓は出窓になっているので多少身を乗り出さなければ路地は見えない。

 なんとなく、本当に何気なく、出窓の掃除でも。と身を乗り出し視線を路地に向けて、目が合ってしまった。

 路地にある電柱の前に、ヨッシーが立っていたのだ。

 慌てて路地に向かうと逃げて行くヨッシー。もちろん追いかけたが、追いつけず。

 全く面識のない筈のシマの家まで何をしに?いや、シマに用事があるのならインターフォンを鳴らせば済む話であって、路地裏から見上げるなんて怪しい真似はしなくて良いだろう。

 そうなると、俺に用があったと考えるのが妥当か?しかし実際には逃げていった。

 そこから導き出される答えは……。

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