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「お母さんにも厄介者やと思われてやがるw」
文章を書く事は好きだった。
字が汚くても、書く事が好きだった。
だから言ってみた事がある。
「小説家になりたい」
これをまだ中学生や高校生の頃に言うならまだしも、ニートが言うのだから周囲の反応なんて物は想像するに容易いだろう。
働かない事の言い訳。として受け取られた訳だ。
罵声に怒声が振ってくる振ってくる。
字が汚い癖に、国語の点数が悪かった癖に、才能もない癖に、何の勉強もしてへん癖に。お前大丈夫か?現実を見ろ、しっかりして。
「もう俺には面倒見きれん。お母さんの所に行ってくれ」
たった一言、小説家になりたいと言っただけで、出て行けと。泣きながら。
あ、はいはい。寝言は寝てから言いますよ。
親父は本当に母へ連絡を入れ、俺を引き取って欲しいと頼んだそうだが、母は母で大変だったので丁重に断られたらしい。
そしてそれを“面白話”として直接俺に笑いながら話してくる親父なのでした。




