表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
SHORTで、俺。  作者: SIN
高校 3年

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

451/485

2人の結末

 本気で宿題に取り掛からなければならない時期。

 今までならば適当に済ませていただろう宿題。しかし“夏休みの終わりかけに徹夜するほど必死に宿題をする最後のチャンス”だと思うとやらずにはいられなかった。

 後は普通に補習で出た大量の宿題を提出しないと駄目だったから。

 今のこの焦った空気感は、来年には感じられないものだ……。

 宿題をやり始めて暫く経つと、今度は“こんなにも長い夏休み事体が最後の経験ではないだろうか?”と思い始めるようになり、意味も分からずに物凄く焦った俺は、宿題は夜にする事にしてゲームセンターへと向かった。

 真夏のベンチには特に誰もいなかったので近くのファストフード店に向かうと、そこには昼食中のゲームセンターの仲間が数人騒いでいた。

 挨拶をして近くに座ると、

 「なぁ知ってる?」

 と、返事に困る事を言われた。

 「何を?」

 詳しい話を聞く姿勢を見せると、そいつは急に小声になって結構詳しく色々と教えてくれた。

 その内容はメグとキバーさんのその後の事。

 俺が知っているのは、学校を辞めたメグは両親とモメて家出し、キバーさんの働いている所で一緒に働き、同棲を始めた。という所まで。

 何処に住んでいるのかも、連絡先も、一切知らない。

 話によると、キバーさんはしばらくの間は大人しくしていたそうだ。

 しばらくの間は。

 結末は、高校生に手を出したキバーさんはその子にいれあげ、メグを捨てたという。

 本当にそんな事が?

 ゲームセンターに集う人間は、結構話を盛る癖を持っていたので、この話も多少は盛られた話なのだろうと思ってはみたのだが、確かめなければならないと思った俺は何も食べずにゲームセンターへと向かった。

 「キバーと喧嘩しに行くん?今の時間やったらゲームしてると思うで!」

 そんな俺の後ろを着いてくる情報提供者。

 喧嘩をしに行く訳ではなくてただの確認。けど、その内容によっては喧嘩もありえる程イラッとはしていた。

 ゲームセンターの中に入り、1階を見て、2階もくまなく見回したがキバーさんの姿はなかった。その代わりいたのはキバーさんの親友である岡さん。

 「ちょっと聞きたい事があるんですけど」

 そう言って話しかけた俺に岡さんは丁寧に事の説明をしてくれた。

 ファストフード店で聞いた話しよりも酷い内容となっていたが、最後にメグが実家に戻れたとの結果を教えてくれた分まだ救いはあった。

 「アイツがあんな奴やとは思わんかった」

 最後にそう怒りを露にした岡さんは、盲目的にキバーさんを「いい人間」だと信じて疑わない人で、何があろうともキバーさんの味方をしていた人物。そんな人が怒りながら話してくれた内容に嘘はないのだろうと判断した俺は、それから暫くキバーさんの姿を求めてゲームセンターに通ったのであった。

 しかし、会えた事は1度もない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ