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SHORTで、俺。  作者: SIN
高校 3年

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花火大会

 夏祭りに行きたい。

 フイにそう思い立ち、俺は1人で夜店巡りをした。ただ巡るだけでは面白くないので、全ての会場でベビーカステラの1番安い物と、くじ引きを1回引いた。

 ベビーカステラの味は会場によって違うのか?と思ったが、あまり大差はなかったように思う。

 そしてくじ引きも。

 これは俺の運のなさが関係しているのだろう、何処に行っても残念賞だった。

 そんな夏祭りを満喫しているところにやってきた花火大会。

 もちろん行くつもりでいたのだが、当日になってシマが一緒に花火を見ようと誘ってくれたので2人行く事に……は、ならなかった。

 自転車で1時間ほどの所にある大きな公園の橋の上で、公園のそばにあるスーパーの前で出ていた屋台で購入した焼き鳥を食べつつ、ものすっごく遠くに見える花火の欠片を眺めただけ。

 当然、周囲に人はほとんどいない。

 「人ごみ苦手やろ?後、電車も」

 確かにシマは花火を見ようと言ってきたが、現地に行こうとは言っていない。だから欠片ほどにしか花火が見えなくとも嘘にはならない。

 しかし、納得はいかない。

 「それはそうやけど、ちゃんと行って見たかった!」

 「向こう行ったら人しか見えんで?食い物も飲み物も買うのに苦労するで?ほら、焼き鳥美味しいなぁー。ジュースもあるで、飲む?」

 現地に行けば人しか見えないというのは、1度行った事があるので知っている。俺が見た光景は人の頭で、屋台も何も見えなかった。

 花火が見えてから少し遅れて聞こえてくるドーンという音、暗い橋の上で自転車にまたがったまま見る花火の欠片は、これはこれで夏の風景という気がしなくもない。

 しかし、納得はいかない。

 「……来年はここじゃなくて、もっと現地に近い橋に行こや!」

 「ん、そうしよか」

 とか言った癖、次の年、俺達はテレビ中継で花火を見たのだった。

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