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SHORTで、俺。  作者: SIN
高校 3年

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437/485

お札?

 物凄くあいまいな記憶がある。

 小学校のいつだったかに俺は梵字が好きで、よく書いていた。多分何らかの漫画を読んで、その影響だったとは思うが、それが何だったのかは思い出せない。

 曖昧になっているのはそこではなく、高校3年のとある日の事。

 その日はシマが遊びに来ていて、押入れの中から小学校や中学校の卒業アルバムを出して見ようとしていた。

 あまり良い物ではないので俺は断ったのだが、どうしてもと言われては仕方ない。

 しかし、卒業アルバムが一向に見つからない。

 下の段に入れたと思っていたが、2段目だったか?と、2段目を探すが見つからない。だったら1番上の3段目か?

 椅子に乗って3段目捜索を始めようとすれば、シマが

 「危ないから、俺が探すわ」

 と、椅子の上に乗り、半分押入れの中に入りながらの捜索を始めた。

 そうして暫く経った時、

 「うわっ!」

 シマが大きな声を上げた。

 「何?何かあった?」

 押入れの1番上なのだから、普段ではあまり見る機会のない物があったのだろう。そう思いながら尋ねたのだが、椅子から降りてきたシマは赤色の封筒と、その中に入っていたのだろう1枚の紙を手に持っていた。

 なんだろうか?

 紙には呪文のような文字列と、裏面の真ん中には赤色の梵字が書かれていた。

 「お札?え?何でSINの部屋にお札があんの?」

 「知らんわ」

 見覚えのない赤色の封筒と、お札っぽい紙を手にとって見ると、封筒はセロハンテープが張ってあり、それで押入れの目立たない場所に貼り付けられていたようだった。

 あれ?待てよ?

 「これ、押入れ上の壁の裏側に貼ってた?」

 「そうそう、あの壁の裏」

 あれ?

 薄ぼんやりと脳裏に浮かぶのは、何かのイタズラで誰かを怖がらせようとして押入れの中に入っている自分と、イタズラの内容。

 押入れの中にお札が貼ってあったらビックリする筈だと思った俺は、壁の裏側に貼り付けた……?

 怖がらせようとしたのは1人の女性なのだが、祖母でも母でも姉でもない誰か。

 家にいない人物を怖がらせようとしているのに、自分の家の押入れにイタズラを仕込むのは可笑しい。

 俺が仕込んだものではないのなら、一体誰が?俺が仕込んでいないのならお札を貼った覚えがうっすらとでも残っているのは可笑しくないか?

 「元の場所に貼り直しとこか」

 こうして元の場所に貼り付けられた赤色の封筒は、今でも押入れの壁の裏にある……筈だ。

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