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SHORTで、俺。  作者: SIN
高校 3年

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他人以上友達未満

 メグは学校を辞め、カズマは留年した。

 1学年下からは制服が代わるので、留年した生徒達はほぼ学校を辞めていったのだが、カズマは新しい制服を購入し、2年生として生活を送るようだった。

 「お前が進級出来るとは思わんかった」

 とか俺に言いながら。

 毎日遅刻をしていようが、出席日数が足りていてテストの点数が良ければ進級出来るもので、俺は1人、3年生。

 教室内には他にも1人で過ごしている生徒が結構いて、休憩時間の度に寝た振りなんかをしていた。

 そして俺も昼休みになると「簡単に食事を済ませた後ボンヤリする」こう言えばなんだかノンビリとした昼下がりを過ごしていたのだろうか?なんて思うかも知れないが、教室のあちらこちらから聞こえてくる会話に聞き耳を立てるという悪趣味な行為である。

 そうしているとなんとなくクラスメート達の事が分かってくるもので、あの子は他のクラスの子と付き合っている。とか、アイツとアイツの仲は悪い。とか。更には休憩時間の度に寝た振りをしている生徒の1人が留年生だという事も。

 ナチュラルではないボッチのその人は、誰も近付くな!というオーラを撒き散らし、1度歩き出したら目的地につくまで高速で歩き続けていた。

 話しかける隙がない。

 それなのにナチュラルなボッチではないと分かったのは、堂々とせずに寝た振りをしていたから。

 対し、完全ナチュラルボッチの女子がいた。

 その子は幼稚園の時に同級生で(幼稚園年少組み編「大きな園児」参照)修学旅行の初日で一緒にお子様メニューを受けた子(高校2年編「約束」参照)だ。

 休み時間や昼休みになっても堂々としており、ある時は本を読み、またある時は予習や復習。そして話しかけられた時の非常に困った顔。

 話しかけようと思ったのはちょっとした好奇心からだったのだと思う。

 下校途中、1人で歩いているその子を見かけて声をかけた。

 「帰る所?」

 他に何をしているように見えるのだろうか?とか思われそうな事を言いながら隣に並び、怪しまれないようにと笑顔を作る。

 恐ろしいまでのギコチナイ笑顔を返されてしまったが、頷いて返事はくれて、身長の低い俺に合わせてゆっくりと歩いてくれた。

 ナチュラルなボッチ同士が一緒に下校するとどうなるのか、歩幅を合わせて歩きながらも延々無言。話しかけた方が良いのだろうか?と考えを巡らせたって共通の話題がある訳でもなし。

 こうして特に会話もないまま別れたのだが、何故か時々一緒に帰るようになった。もちろん無言で。

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