約束の結果
修学旅行最終日の、バスの中。
ほとんど寝ていたお陰で酔う事もなく帰ってきた地元。
バスから降りて時間を確認してみれば予定よりも30分ほど早い時間だった。
生徒のほとんどが帰り、教師達も帰り、バスも走り去ってしまった薄暗い公園の前には、俺とメグの2人きり。
迎えに来ると豪語したらしいキバーさんの姿も、起きれたら行くと言ったシマの姿もない。
とは言え予定の時間よりも早いから仕方ないと納得し、自動販売機でジュースを買って飲みながら眠気と戦う。
「もう待たんと帰ろっか。俺ん家で仮眠とってから帰りぃな」
とか提案してもメグは首を縦にも横にも振らない。どうやら「自分から迎えに行くと宣言した男が、約束の時間に来るのか来ないのか」を見たかったらしい。
結果。
キバーさんは約束の時間から30分遅れで自転車に乗ってニヤニヤしながらやって来ると、特に遅れた事の説明もなくメグを後ろに乗せた。
そして2人は俺に対して挨拶めいた事の1つもせずに行ってしまったのだった。
残った俺はそこから10分程公園に留まってみたが誰も来ないので帰宅し、眠る準備を整えてからベッドに潜り込み、良い感じに睡魔がやってきた所で、
コンコン。
シマがやって来たのでした。




