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SHORTで、俺。  作者: SIN
高校 2年

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422/485

希望

 たまたま、本当にたまたまバッタリとヨネゾーに会った。

 先に見つけたのは俺だが、友達でもない訳だから。と、声をかけずにその場を立ち去ろうとした。

 「おひさー」

 しかし、肩を叩きながら話しかけられては振り返るしかない。

 「あ、はぁ……」

 困惑した気分のまま何とか返事をしながら、何故こんなにも笑顔で話しかけてこれるんだ?こいつ……なんて言葉か頭に浮かんでくる。

 「今週の日曜カラオケ行かへん?ヒロ達も来るねん」

 は?

 「遠慮しとく」

 「えぇやん。ヒロ達も友達連れてくるみたいやし」

 それなら余計にお断りだ。

 「自分も、自分の友達連れていけば?」

 「やから誘ってるんやん」

 ヨネゾーの中での俺は友達なのか?中学3年の後半、あの雰囲気をお忘れか?

 だけど俺は思ったのだ、ヒロとタムを見返してやろうと。特にタムに対しては並々ならぬ恨みがあるのだから、それを晴らすチャンスだ!と。

 「日曜、何時に何処集合?」

 こうして俺はカラオケに行く事にした。

 その日の夜、日曜日に遊びに行こうと言い出したシマに中学3年の後半からの話をして、ヨネゾーに会った事とカラオケに行く事を説明すると、

 「アホやなぁ」

 との感想が帰ってきた。

 「そこそこ精神鍛えられたし大丈夫やって!ちょっと見直させるえぇチャンスやし!」

 得意げに言う俺に対するシマの態度は、行かない方が良い。の一点張り。挙句の果てにはドタキャンを進めてきた程。

 行く、行くなの攻防戦は、

 「じゃあもう好きにしぃや」

 と、シマが折れた事で終わったのだった。

 日曜日、午前11時の駅前。

 時間ピッタリに行くと、そこには既にヨネゾーが立っていた。

 「待った?」

 「そんなに」

 と挨拶を交わした後、しばらく無言で遠くを眺めて不意に目が合い、

 「元気やった?」

 「まぁまぁ」

 「ふうん」

 と、また2人して無言で遠くを眺め、また不意に目があって、

 「天気えぇな」

 「そうやな」

 と。

 まぁこんな感じでギクシャクしながらヒロとタムを待った。

 しかし、来ない。

 ヨネゾーが電話をかけてみれば、タムはその時に起床したのだと言い、10分程度で行くと言ったそうな。

 しかし、来ない。

 2度目の電話をした後しばらくしてからヒロとタムと、後1人知らない人が来た。時間は確か12時を少し過ぎていた位で、3人は3人だけで昼食を食べてきたと言った。

 少しばかり腑に落ちなかったが、まだ序盤だからと押さえ、ヒロとタムによる「元気?」「最近なにしてた?」だのと言う一通りの挨拶文句に答えつつ、遅れて来た事の謝罪文がない事に、また少し引っかかった。

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