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SHORTで、俺。  作者: SIN
高校 2年

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盲目的

 ゲームセンター仲間に1人、マージャンが好きで週末になるとシマをマージャンの師として教えを乞いている人がいた。

 名前は岡さん(仮)と言い、キバーさんの同級生。

 覚えたてでまだ弱かった岡さんだが、勝負で負けが続いても表情1つ変える事無く冷静で、1ゲーム1ゲーム毎に「これはどうしてこっちを捨てたんですか?」と、捨て牌1つ1つにまで解説を求めるほど熱心で、シマに、あいつは強くなる。と言われていた。

 そしてマージャンが終われば明るい性格の「誰とでもそこそこ仲良くなれるオールマイティーグループ」の1人としてゲームセンターで遊び、俺にも気さくに話しかけてくれた。

 俺から見た印象は、物凄く良い人。

 シマから見た岡さんの印象は俺とは少し違っていて、自分の感覚を信じ過ぎている人。らしい。

 てっきりマージャンでの話かと思えばそうではなく、キバーさんの事。

 岡さんは、同級生でもあり親友でもあるキバーさんの事を「良い人間」だと信じて疑っておらず、少しでも悪い噂を聞けば「あいつはそんな奴じゃない」と噂を流した当人の元へ直接抗議に行っていた。

 それでも俺は、岡さんからの注意ならキバーさんも大人しく聞くのでは?と考え、メグが非常に困っている事も盛り込み、浮気性をどうにかするように。ではなく、溜り場生活を改めるように言ってほしい。と頼んでみた。

 「あー、うん。それは俺も思ってて、何回か言うてんねんけどなぁ」

 話が通じた事が嬉しくて会話を続けた。

 「あ、何回も言ってたんですね……」

 「そーやねん。その時は帰るって言うんやけど」

 なんとなくその様子が想像出来た俺は、

 「返事だけなら誰だって出来ますよね」

 と、ウンザリした風に言ってしまい、

 「は?田口(メグの事)なら兎も角、何でお前にそんなん言う権利があんねん」

 と、結構激しめに睨まれてしまったので、その後岡さんに対して相槌しか打てなくなってしまったのだった。

 盲目的な好意は友情だろうと恋愛だろうと厄介なモノなのかも知れない。しかし、そんな盲目的な好意を何故キバーさんという人間が受けられたのかは未だに分からない。

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