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SHORTで、俺。  作者: SIN
小学校 低学年

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七不思議

 通っていた小学校には、七不思議が多く存在していた。

 一般的には7つ目を知ると不幸に、なんて事が言われているが、7つ目所か、8つ目、9つ目などが普通に存在していたのだ。

 二宮金次郎像だけでも、夜中に運動場を走っている。前に出ている足が日によって違う。薪の数が変わる。本のページが変わる。髪型が変わっている。最終下校時間が過ぎても校内にいると追いかけてくる。と、思い出せるだけで6つもある。

 まさかの金次郎大人気っぷり。

 続いて多いのが音楽室。

 夜中にピアノがなる。肖像画の目が光る。ベートベンが笑う。最終下校時間が過ぎても校内にいると肖像画から出て来て追いかけてくる。と言うものまであった。

 この時点でもう10である。

 トイレには当然花子さんがいて、ノックをされたら返事をしたり、前から3番目の個室をノックしたり、最終下校時間が過ぎても校内にいる生徒を追いかけたりと結構忙しい事になっていたし、プールには女子生徒の霊が一緒に泳いたり、髪の毛を引っ張ったり、足を引っ張ったり。

 理科室では標本が動いたり、最終下校時間が過ぎても校内にいる生徒に泣き声を聞かせたり。

 体育館でもボールをつく音が響いたり、校内放送もしていないのにスピーカーから声が聞こえたりするなど。

 小学校は幼稚園と隣接して建っていて、校内で幼稚園と繋がっていた。一応境界線みたいなものがあり、そこには高学年ならば普通に跨いで乗り越えられるような低くて小さい門が設置されていた。

 ただのオブジェではなく、ちゃんと鍵までついているのだ。園児目線での門なのだろうと思っても、鍵があるのは小学校側なので、七不思議好きな小学校では当然、小人がいる。という七不思議が語り継がれていた。

 小人の門の横には、花園と言う名の草が生い茂った場所があった。中には小道らしきものがあるのだが、学校の敷地内だと言うのに誰も手入れをしておらず草木で塞がれて入れなくなっていた。それでも体の小さな子供のうちは奥に進む事が出来る。庭園の奥にあるのはドラキュラの墓、と呼ばれていた1つの記念碑だ。

 こんな不思議大好き学校でも、生徒が好んで行かない場所が存在していた。それは、校舎の1番端にある階段の、2階と3階の間にある踊り場。

 先生達は普通に使っていると言うのに、生徒達は低学年から高学年まで幅広く恐れていた場所。

 下足室から1番近い階段だというのに、そこを通らないように態々遠回りする生徒が多発していたという程の徹底振り。

 2階と3階の間にある踊り場、そこには1枚の大きな鏡があるのだが、その鏡を隠すように化粧板が取り付けられていた。それでも鏡の下の数cmは見えている。

 その鏡にまつわる七不思議は、鏡に自分の姿を映してはならない。2階に降りて行く時に鏡を振り返ってはいけない。と言うものだった。

 しかし、遠回りしてまで避けなくとも化粧板から出ている鏡の部分は数cmで、しかも床からも数cmの位置。自分の姿が映るとしたら上履き位なものだ。

 だから恐れる必要なんかない。とは思いつつ、なんとなくそこを通りたくないので俺も鏡を避けていた生徒の1人だった。

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