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SHORTで、俺。  作者: SIN
高校 2年

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ただの暇潰し

 ゲームセンターには、ヒョロッとしている人か、ムキッとしている人に偏っていたように思う。

 そして、立ったまま靴下を履く事が出来ない。というふくよかな方も何人か。

 その中の何人かは本気で痩せたかったようで、高架下にサンドバックを持ち込んで我流道場を開いていたムキッとした方々と共にミット打ちやらやっていた……のだが、筋肉痛で動けなくなるだけで一向に痩せないという。

 ムキッとした方々は他にも、毎日ランニングをするように、腹筋や背筋や腕立てをするようにと言ったらしいが、筋肉痛が酷い時にそれらをする事は困難だし、ランニングよりウォーキングの方が良さそうなものだ。それに、行き成り体を動かして膝とか足首を痛めてしまってはどうしようもない。

 と言う事は、大事なのは運動よりも食事改善か?

 こうして立ち上がった「体質改善」と題した遊び。

 もちろん「皆で痩せようね」なんて仲良くする訳ではなく、誰が1番痩せる事ができたのかを競う、今思えば結構無茶苦茶な遊びだった。

 参加したのは痩せたい組3人と、遊ぶ組3人の3ペア6人。

 毎週月曜日に体重を量り、少しでも痩せていればクリアで、変わっていなければセーフ、増えていればアウトとなり、最後まで残ったペアの勝ちとなる。

 ペアになったのは同い年の高野(仮)という生徒で、中学まではソフトボール部でピッチャーをしていたそうな。

 高野は自分が太った理由をしっかりと理解していて、運動部を止めたのに食生活が元に戻らない。と言い、押さえようのない食欲に悩んでいるとも言った。

 しっかりと自己分析出来ていたので、俺はこの時“簡単だ”と、そう思っていた。

 高野とは同じ学校ではあったものの、クラスが別な上にペアを組むまでは何の接点もなかった相手。急に話しかけるのは周囲から見れば不自然だろうし、高野も学校では話しかけられたくないと言った。

 昼休み中に何を食べているのかを知りたかったが見に行く訳にも行かず、夕食に何を食べたかなんてのは確認しようもないので、

 「朝昼晩何食べた?」

 と問い、その答えを信じるしかない。

 それを書き出してカロリー計算をする訳なのだが、詳しいカロリーなんてのは分からないので、お茶碗1杯の白米=200キロカロリーとか、肉は100グラムで300キロカロリーとか、鶏肉なら200キロカロリーとか、かなり大まかだった。これで1日の摂取カロリーを2000までとして、それをオーバーした日は1時間程のウォーキング。

 と、こんな感じで始めた。

 1回目の測定時。

 ゲームセンターに体重計を持ち寄り、測定場所はベンチの前。

 不正があったら駄目なので、それぞれが持ってきた体重計で計3回体重を計る。

 その結果、2人がアウトで1人がクリアと、第1回目にして最終結果が出てしまう事となってしまった。

 俺ともう1人は、優勝者に罰ゲームとしてジュースを奢ったのでしたとさ。

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