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SHORTで、俺。  作者: SIN
高校 1年

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ヘソクリ

 実家を出るため貯金に精を出していた俺は、いつの頃からか貯金が趣味になっていた。

 しかし大金が溜まった経験はほとんどない。

 理由は明白で、10万円のコンポを1活払いしたセレブ感を時々味わいたくなり、そこそこの値段の物を購入してしまうからだ。

 何を購入したのか、ゲーム機以外には思い出せないというのだから、本当に散財する事が目的だったのだろう。後はゲームセンターで1万円札を両替機で100円玉にする所業。

 この頃から俺は通帳記入をしなくなった。

 少しでも溜まると散財してしまいたくなるので、バイト代が入る前の貧乏な数字のまま放置する事にしたのだ。

 バイト代は振込みだったので、1ヶ月に1度1万円だけおろし、その限られた1万円をどう節約して如何に残す事が出来るのかを楽しむように。

 それで例え5千円残ったとしても1ヶ月経てば1万円をおろす。

 手持ちの金額は1万5千円となり、折角節約した5千円の扱いが雑になってアッと言う間に5千円を散財。

 そこでとった行動は、ヘソクリ。

 1ヶ月に1万おろす。という所を見直せば済む話なのだが、それをしないアフォだったのだ。

 で、本の間に千円を挟むとか、机の引き出しの奥に千円入れておくとか、タンスの下に千円敷くとか。

 ある日の事、バイト前に俺の部屋でノンビリしていたメグは暇潰しにとゲームを始めた。

 それは俺があまりやらないゲームだったので、

 「これ面白いな、ちょっと貸して」

 との申し出に、

 「えぇよ」

 と即答したのだった。

 そのゲームの説明書にヘソクリを隠している事に気が付き、メグにゲームを返してくれるようにと言ったのは、貸してから凡そ1ヶ月後の事。

 「あれな、地元の友達に貸してる」

 又貸しされたゲームはヘソクリと共に消え、結局戻っては来なかった……。

 俺はそれを、簡単に移動出来る物をヘソクリの隠し場所にしてはいけない。との教訓を学ぶための授業料だった。と思う事にした。

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