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SHORTで、俺。  作者: SIN
高校 1年

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風船

 高校1年の文化祭。

 出し物は展示物で、バルーンアートだった。

 文化祭当日には全員がイヌとハートを作れるようになっており、教室にやって来た人全員にイヌをプレゼントした。

 そんな風船のギュッギュと苦手な人には苦手な音が響く教室の黒板には、タコを模したバルーンが貼り付けられていた。

 文化祭準備期間の1日目。

 担任は黒板に風船の絵を張る事を提案し、その構図を募集した。

 黒板に小さな風船を貼り付け、それで模様を描くというドット絵みたいな物だ。

 ギュッギュと周りがイヌの練習に精を出している中、俺はボンヤリと担任から配られた紙にペンを向ける。

 描いたのは当時好きだったシャチ。

 他にも何人か提出していたが、担任は俺のシャチを気に入ってくれ、クラスメート達も多数決で俺のシャチを選んでくれた。

 偉業を成し遂げたかのような、フワフワとした気分だった。

 文化祭前日、イヌの練習に明け暮れる教室内で、何人かの女生徒により赤色のバルーンアートが黒板に貼り付けられた。

 予定されていたドット絵でもない上に、タコ。

 「あれ?シャチじゃなかった?」

 教室にいた男子生徒の1人が作業をしている女生徒に言うが、特に相手にしてもらえずに終わり、その変わりに担任が非常に素っ気無く、

 「黒色の風船がなかったらしい」

 と、事の真相を告げた。

 だったら青色のバルーンにしてイルカって事に……とは思ったが、作業中の女生徒に悪いので何も言わなかった。

 そのクセ、文化祭当日に、あまりにも殺風景な黒板を見る度に思ったのだ。

 せめてドット絵に出来なかったのだろうか?

 イルカの提案をするべきだっただろうか?

 と。

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