表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
SHORTで、俺。  作者: SIN
高校 1年

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

374/485

避妊具

 線路沿いの道には自動販売機があった。

 俺を含めたゲームセンターの仲間4人で遊びに行った帰りの事、その自動販売機を使用してみよう。と言う事になった。

 問題は、誰が行くかだ。

 「お前買って来いや」

 「絶対嫌や、お前行けや」

 「何でやねん!」

 ギャアギャア言いながら誰も自動販売機に近付かない。そして、

 「あ、人来た!」

 人がやって来ると大人しく4人とも俯く。

 人がいなくなると顔を見合わせ、

 「お前行けや」

 また小声で始まる。

 これではラチがあかないと、夜になって暗くなってから買いに来よう。という事になった。

 暗くなるまで適当に時間を潰し、千円を握り締めて問題の自動販売機に向かう。

 4人で自動販売機の前に立ち、千円を入れようとするが、ない。

 「これ、千円入れる所ない!」

 「え!?どっかで崩さな」

 まるで逃げ出すように走ってジュースの自動販売機で千円を崩し、再び例の自動販売機の前へ。

 カシャン、カシャン。

 お金を入れる音が異様に響く。

 「誰も来てへん?」

 「大丈夫、今大丈夫」

 カシャン、カシャン、カシャン。

 よし、お金は入った。後はボタンを押すだけ!

 ポチ。

 ゴトン!

 「めっちゃ音したぁ!」

 「誰も来てへん?誰も来てへん?」

 「大丈夫、誰もおらん」

 「行こ行こ!」

 商品を掴み、走って自動販売機の前から立ち去り人の気配のない場所で商品を開ける。

 「おぉ……」

 4人もいるというのに、感想がその一言しか出てこない。そして少ししてからやっと、

 「何か凄いな」

 と、1人がペリッと1つ切り離し、ペリッと中から薄いゴム製品を取り出した。

 「どんな感じ?」

 「なんか、濡れてる」

 「濡れてんの!?」

 と、別の1人が手に取る。

 「どんな感じ?」

 「……濡れてる……フッ、フフッ」

 感想一緒か!

 「フフッ、アハハハ」

 「アハハハハ」

 こうして一通り笑い合った後、残りのソレはその時唯一彼女がいた者へと贈呈されたのでした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ