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SHORTで、俺。  作者: SIN
幼稚園 年長組

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ランドセル

 親父と母に連れられ、俺はランドセルを買う為デパートに来ていた。

 まだランドセルの種類が黒か赤しかなかったのだが、明確に黒が男子、赤が女子と言う決まりが書かれている訳ではなかったので、主張すれば女子でも黒色のランドセルを、男子でも赤色のランドセルを買ってもらえるのではないか、そう思っていた。

 入学式フェアーか、そんな売り場にはドンとランドセルが並んでいる。

 さぁ、主張しよう!

 そう気合を入れたのも束の間、親父は一直線に売り場へ歩いて行ってしまった。

 いや、まだ間に合う筈だ!

 「嫌や~黒が良い~」

 「まだ言うてんの!?」

 黒のランドセルを前に、1組の親子が言い合いをしていた。

 子供は俺と同じくランドセルを買いに来ていた女児で、母親は心底困り果てた様子で女児の手を握っている。

 そんな親子を眺めている間に親父はレジに向かって行ってしまった。しかし、それより気になるのがこの親子であった。

 この後、一体どうするのだろう?

 女児の父親がレジの方からやって来るなり「赤を買った」事を告げ、それで終に泣き出した女児。

 母親は子供を泣かせた父親を睨んだが、父親は続けた。

 「ランドセルは制服や。学校じゃない時に好きな色のカバンを持ったらええ」

 人の父親の説得に、心底納得してしまった。それは女児も同じだったらしく、グズグズと鼻をすすりながら泣き止み、

 「じゃあピンクの…」

 と。

 黒じゃないのかっ!?

 心の中で盛大なるツッコミをいれたのは言うまでもない。

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