表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
SHORTで、俺。  作者: SIN
高校 1年

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

369/485

ゴミ捨て

 ここまで家事は俺と祖母で分担してやっていた。

 洗濯は祖母、掃除も祖母、買い物は夫々で行き、夕飯と自分と弟のお弁当は俺が、弟のお菓子は祖母が用意。親父のビールは親父自身が仕事帰りに買ってきた。

 しかし、俺がバイトを始めた事により、バイトのある日は祖母に夕飯を任せるようになり、徐々にバイトがない日もバイトがあると言ってゲームセンターに行くように。

 元々洗濯も掃除も祖母任せだったので、俺はここにきてお弁当作り以外の家事をしなくなった。とは言え、それでは流石に肩身が狭く、だったら。と、夫が「家事を手伝っている気」でやる細かい事ナンバー1のゴミ捨てをするようになった。

 ご近所のゴミ収集事情は、燃えるゴミとプラ製容器包装は別々で出さなければならなくて、ペットボトルがプラ製容器包装と一緒に入っていたら「収集できません」とのシールが貼られて持っていってはくれない。

 で、この頃の親父と弟は、1つのゴミ箱に分別もせずにゴミを捨てていた。

 まぁゴミ箱が各部屋に1つしかないのだから仕方がないのだろうし、もしかしたらプラ製容器包装を分けなくても良いと勘違いをしていた可能性もある。

 祖母はそれらのゴミを集め、手作業で燃えるゴミとプラ製容器包装を分けてゴミを出していた訳なのだが、俺は「透明な45ℓゴミ袋の中に、半透明や不透明なレジ袋に入ったゴミを出すんだから見えないし大丈夫だろう」と考えていたので、手作業での分別等はせず、しっかりと強く袋を括り、夜中にゴミを出していた。

 それから少し経った時の事。

 隣に住むご婦人が朝の挨拶をしてくるようになった。

 普段なら両者顔を合わせてもスッと視線を逸らして無言なのに、物凄い笑顔で挨拶をしてくるのだ。

 不審に思いながらも挨拶を交わすようになって数日後、ご婦人は挨拶と同じテンションでサラリと、ゴミ収集の日がいつか知ってる?と、聞いてきた。

 ゴミの日は知っているので、知っています。と、返事をしたのだが……。

 「そう!それは良かったわー。いつもゴミの確認してあげてたんやけど、次からは大丈夫やね」

 と、笑顔のまま言われてしまった。

 分別していなかった俺が悪いのは間違いないのだが、物凄く不気味に感じてしまったので、ゴミに出された袋の全てをチェックしていたのか、それとも木場家のゴミだけをチェックしていたのかは聞けず、ただ、

 「すいませんでした」

 頭を下げる事しか出来なかった。

 その翌日、ご婦人からの挨拶はピタリとなくなった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ