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SHORTで、俺。  作者: SIN
高校 1年

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郊外学習 1日目

 1泊2日だっただろうか、校外学習があった。

 生徒達の仲を深める為のイベントだったのかは分からないが、昼は川で飯盒炊爨。夜はレクレーションと、物凄く充実したスケジュールになっていた。

 班分けは「自由に班を作れー」ではなくて出席番号でしっかりと分けられたので、ボッチが最後に「いるかいらんかジャンケン」で渋々仲間に入れられる事もなく、平和に決まった。

 レクレーションには自己紹介と「高校生活における目標」をテーマにした作文の披露が待っていた。

 作文は郊外学習が始まる前に国語の授業で作成し、一旦国語教師に提出していたもので、レクレーションの自己紹介が始まった直後に全員に返された。なので国語教師である担任には誰がどんな作文を書いたのかを知っていたし、コピーしたものを手元に持っていた。

 その発表の仕方は、手前に座っている生徒から。なので1番後ろの、1番端に座っていた俺が1番最後となり、最後から2番目がメグ。

 「ちょっと見せてー」

 「ん」

 そう言ってお互いの原稿を黙読してみれば、お互い対人関係の事を書いていて笑ってしまった。

 メグは、色んな人と触れ合って人に慣れて友達を作りたい。みたいな目標で、俺はゲームセンターでの交流から人に慣れたい。みたいな事を書いた。

 どちらも勉学とはかけ離れているが、立派な“高校生活における目標”だ。

 一通りの無駄話を終えてクラスメート達の発表を聞いていると、同じ原稿を何度も聞かされているような感覚に陥った。何故なら皆「予習復習をしっかりとする」だの「先生の話をしっかりと聞く」だのと言うのだ。

 クラスの大半が、と言うレベルではなく、発表する生徒が皆そんな風に“学校生活内”の事を言っている。

 「書き直した方がえぇんかな?」

 そう言って原稿用紙の裏になにやら箇条書きしたメグは、自分の発表の時、他の皆と同じような事をしどろもどろと発表し、内容を知っている担任は驚いた風に自分の手元にある原稿に顔を向けた。

 メグの発表が終わって、俺の番。

 起立して、原稿に視線を落とし、メグと同じように場に合った内容を発表……できる筈はない。

 起立した時点で緊張感から頭の中は真っ白だ。そんな中でアドリブなんて出来る筈もなく、書いてある文字しか発音できなかった。


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