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SHORTで、俺。  作者: SIN
高校 1年

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キラのバイク

 バイトを探している。

 と、メグが相談をしてきた時、丁度俺のバイト先がバイト募集をしていた。なので自然な流れで紹介し、一緒に働く事に。

 マスターは何故かメグに「メグッペ」とあだ名を付けて呼んでいたが、メグはそれがたいそう気に入らなかったらしくてプチプチと文句を言っていた。

 学校が終わってからバイトの時間までは1時間程度の空き時間があるので、メグはその1時間は俺の部屋に来ていた。

 あれほど他人を家に入れるな。と怒っていた祖母も「バイトまでの待機時間」だと説明をすると如何いう訳か何も言って来なくなった。

 ただし、バイトが終わった後に部屋に入れるとブツブツと文句攻撃を仕掛けてきたので、仕事の為。という事が重要だったのだろう。

 そんな1時間の自由時間中、1本の電話がかかってきた。

 携帯を持っていないので、わざわざ家電に。

 「もしもし?」

 「あー木場?俺、分かる?」

 電話をかけてきたのはキラだった。

 思いがけない相手からの電話に戸惑いつつも、

 「分かるけど?」

 なんて答え、頭の中で色々と疑問文が浮かんでくる。口には出せないのだが。

 「今日暇?ゲーセン来いや」

 ゲーセンへはほぼ毎日行っていたので言われなくとも行くが、バイトがあるのでスグにはいけない。

 「バイト終わったら行くわ」

 完結に答えて電話を切れば、どんな電話内容だったのか?と興味津々なメグからの質問が始まり、最終的には連れて行け。と。

 バイトが終わり、俺はメグと共にそのまま駅に向かって歩いていた。

 ゲーセンに着くとメグの周りには何人かのゲーマーが寄ってきて、楽しそうに喋り始めた。その中にイッちゃんがいたので、俺は素早く離れて他のベンチへ。

 結局メグはイッちゃんのいるグループに入ったので、ゲームセンター内では別々に過ごす事になった。

 ゲームセンターにはカズマも、キラも、メグもいるというのに、誰とも会わないし、普段なら会話にも出て来ないのだが、その日はキラに呼ばれたのだから何を言われるのだろう?と気が気じゃない。

 しばらく待った後俺の所にキラは、

 「乗ってみる?」

 と、いきなり。

 キラは何人かと一緒にバイクの免許を取りに行ったらしく、ゲームセンターに中型バイクで来るようになっていた。

 そのバイクに俺を乗せようというのだ。

 「え?何で?」

 余りに突然で、余りに不思議だったので尋ねると、

 「木場ならえぇかなーって」

 と、またもや不思議な事を言われたのだが、それに反応を示したのは俺と同じ苗字の青年だった。

 「ホンマに?」

 と、急に喜び始めた木場さん。因みにこの人は皆からはキバーと呼ばれていて、俺は木場ちゃんと呼ばれていた。

 「え!?」

 ビックリしつつも拒否反応を示すキラだったが、キバーさんは俺達よりも2つ年上だったので渋々鍵を渡していた。

 始めはゲームセンターの周りを1週するだけという約束だったにも拘らず、キバーさんは気の済むまで乗り続け、

 「ウィリーするで!」

 とか宣言して盛大にコケタ。

 その瞬間、キラはバイクに駆け寄りキバーさんに怒り、大声で文句を言ったのだが、キバーさんはヘラヘラと笑うばかりで一言も謝らなかった。そればかりか、キラがバイクで帰った後になって「コケテ怪我をした自分可哀想」みたいな話を繰り広げた。

 なんじゃこの人。

 これがキバーさんの第一印象だった。

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