破廉恥なゲーム
いつものゲームセンター前で一時期ポッ○ーゲームが流行った。
2人の人間が両端から食べ進めて行き、相手が異性の場合はキスまで狙ってしまおうという破廉恥極まりないゲームだ。
「これ、チョコ側ズルいよな?」
「チョコ側やと口周りベタベタになるで」
「え?それやり方変なだけちゃうの?」
「俺チョコ嫌い」
あまりまとまってない会話を繰り広げ、1人が画期的な解決策を持ってコンビニから登場した。
「テッテレッテー、どこでもプリッ○~」
なぜこうまでしてこのゲームに拘るのかと言えば、俺達のグループにはフリー女子が数名いたからだ。
8時も過ぎるとバイト終わりの連中も徐々に集まり、ベンチに堂々と置かれる菓子の箱。
「じゃーんけーんホイ!」
ジャンケンに負けた2人がサクサクとお菓子を食べて行き、アッと言う間に空に。すると1人がコンビニまで買出しに向かった。
そしてベンチに置かれたのは、こ○だと言うかなり短いチョコ菓子だった。
こんなもん、両端から咥えた時点で至近距離過ぎる。それもチョコ、さっさとやってしまわないと溶けてとんでもない事になりそうな代物だ。
負ける訳にはいかないのに、お菓子がなくなるまで続くのだから勝ち続ける事なんか不可能に近い。
負けてしまった時はどうするのか。
相手が俺の前でチョコ菓子を咥えているとして。
1、相手の頭をがっちりと両手で押さえ、
2、「絶対動かんとって」と声をかけ、キスが出来るかも知れない。というゲームの醍醐味を完全に拒否し、
3、絶対に口が触れないようにチョコに齧りつく。
おしまい。




