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試験
入試試験当日、受験勉強を全くしなかった俺は、参考書を必死に眺めながらブツブツ言っている周りの生徒達を眺めながら不思議に思っていた。
そんなに勉強熱心なら、もっとレベルの高い学校に行けば良いんじゃないだろうか?
と。
こうして始まった試験。
どんな問題だったのかは流石に忘れたが、簡単だった事だけは確かだ。
最後に見直しをしないスタイルの俺は、余りに余った時間を埋めるべく、問題用紙に落書きを始める。
それでも時間が余るので問題用紙の裏にみっちりと描き込んだ。
かなりの大作が仕上がり満足しつつ眺めていると、チャイムが鳴った。
「終了、用紙を裏向けて置いて!」
そう声がかかって従う。
教師は後ろから順にテスト用紙を集めていき、それと同時に問題用紙も、回収して行った。
完全に落ちた!
そう思った瞬間だった。




