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クラブ活動のページ
卒業アルバムの“クラブ活動”のページに載せる写真を撮る事になった。
顧問はきっと色々と俺達の事情を知っていたのだろう、俺以外の部員全員に写真撮影の詳しい日時を告げ、俺には何も言って来なかった。
部長だと思っていたが、幽霊部員扱いだったのか?
いいや。
そうではなくて、顧問は本当に良く俺達の事を把握していて、俺から「写真撮影がある」と言っても誰も集まらない事を分かっていたのだ。
そんな顧問にも誤算があったらしい。
俺が写真撮影の事を何も知らなかったら、誰かが伝えるだろう。と思っていたらしく、まさか誰も何も言わず、写真撮影が俺抜きで行われる事に異論も出ないとは思わなかったそうだ。
こうして俺は、たった1人異論と唱えてくれた顧問によって卒業アルバムの“クラブ活動”のページに、空々しい笑顔で載る事が出来たのでした。




