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SHORTで、俺。  作者: SIN
中学校 3年

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遠足

 遠足があった。

 中学生になってまで遠足?と周りの生徒達は言っていたのかどうかは分からないが、俺は思いっきり思っていた。

 書記委員だった為、遠足のしおり係に至って自然な流れで任命されてしまったからだ。

 普通ならば学級委員との共同作業とか、なんなら学級委員長と、副学級委員長で作成するもんじゃないのか?と思ったのだが、そうではなくて書記委員に一任。と言う事で満場一致となった。

 それでも遠足に行く場所が遊園地だったので、何時から何時まで何処そこを見学して、バス移動で次は何処そこに行ってー。とか長々と細かく書かずに済んだのだが。

 遠足当日。

 雨が降った、とかいうオチではなくて、しっかりと晴れた。

 3年全員という大人数で1つの遊園地内を楽しむのだから、何処を見ても生徒がいるし、どの乗り物に行っても誰かが並んでいる。

 メリーゴーランド、コーヒーカップ、ゴーカートと、子供が喜びそうなアトラクションですら女子達が並んでいて、写真を撮りあっていた。

 ボッチの俺はと言えば生徒達のいない場所を求めて園内を散歩する位しかやる事がなく、何も乗らないのはもったいないからと2回観覧車に乗っただけ。

 途中、楽しそうなヒロ達を見かけて眺めていると、フイに目が合った。

 気まずいと感じつつも視線を外せずにいた俺にかけられた言葉は、

 「うーわ、目ぇ合ってもうた」

 だ。

 目が合っただけで目が腐りでもするのだろうか?小学生か!と、ツッコミに行ければ良かったのだろうが、そこまで無邪気ではない俺は、俯いてその場を離れるしか出来ないチキン。

 同級生から逃げまくって腰を下ろしたベンチに、今度は担任がやってくる。

 「なんか乗ったか?」

 1人でいるのに対して何も問われない事に安堵しつつ、観覧車に乗った事を、少々大袈裟に、楽しそうに報告した。

 「後からもう1回乗りに行くねん!」

 そう笑った時、担任は記念にと1枚写真を撮った。

 後日、プリントした写真を担任から貰ったその時の写真。

 満面の笑顔で写っていると思っていたその写真には、無表情に近い俺が写っていた。

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