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SHORTで、俺。  作者: SIN
中学校 3年

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三者面談

 三者面談があった。

 確か進路についての面談で、学校での態度とかテストの点数とか、そんな話もした。

 きっと、他の生徒達はテストの点数に見合った学校選びとか夢とか希望とか、なんかそんな前向きな話をしたんだと思う。

 机の上には90点台のテスト結果があって、第1志望までしか書いていない進路希望の紙があって。

 親父は実に放任主義というのか、そんな感じだったので、俺は自分の考えだけで進路を決める事が出来……なかった。

 美術系に進みたかった俺は、無料の模擬試験に勝手に応募した。後日テストが届き、それに答え、絵を描いて郵送するとテスト結果が届くという、なんとも怪しい模擬試験ではあるが。

 結果はギリギリ合格といった所で、まぁ当然「この才能を伸ばすにはうちの学校にー」と、分かりきったセールスが始まった。

 親父はそのセールスを断ったと同時に俺が美術に興味があると知り、呆れた風で、でも笑いながら言った。

 「公立しか無理やで?」

 だから俺は強力な滑り止め私立高校を第2志望に書かず、家から1番近い公立高校1本狙いと相成った訳だ。

 第2志望を書くようにと担任は親父にも言っているが、この公立1本狙いは親父の希望でもある。

 「本人に任せてます」

 折れた担任は最終的に90点台のテスト結果をズイっと前に出した。

 「この高校ですと、1教科40点ないと難しいです」

 テスト結果を見て沈黙の親父。

 俺は特別不真面目な訳ではなかったと思う。

 無断欠席もせず、授業中は私語もせずしっかりと聞いていた。

 ノートもちゃんととっていたし、ノートの提出時には“良くできました”評価を受けていた。

 それなのに、テストの点数だけが毎回90点台なのだ。

 1教科ではなく、全教科で90点。

 英語に至っては1ケタ。

 1教科40点だなんて逆立ちしたって無理な話。

 不真面目な授業態度ならそれを改めるという対策が取れるのだが、残念な事に既に真面目に授業は受けている。

 それでも、

 「もっとガンバレよ」

 「ん」

 親父と俺の意見は変わらなかった。

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