表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
SHORTで、俺。  作者: SIN
中学校 3年

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

326/485

差し入れ

 家にいる時は自室に篭る事の多かった俺は、次第に家族と会話する事もなくなり、家でも、学校でも一言も喋らないと言う日が普通にあった。

 祖母はそんな俺の部屋のドアを時々ノックしてきた。

 コンコン、ではなく、ゴンゴン、という激しい音だ。

 寝ていてもその音で起きる程凄まじい。それでも無視をしていると、

 ゴンゴン、ガチャガチャ。

 完全にドアを開けようとしてくる。

 「オイ!寝てんのか?オイ!」

 寝てると思うんなら静かにしろ!と、少々イラつきながらドアを開ける。

 「なに?」

 「寝てたんか?」

 「ん」

 「そっか」

 パタン。

 用事は何もないのだ。

 しかし、差し入れがある時もある。

 ある時はポテチ、またある時はフライドポテト。

 そして1度だけケーキだった事があった。

 家のご近所にはケーキ屋さんがあり、そこそこの高級品なので特別な時にしか買わないのだが、その日の差し入れはそのケーキ屋さんのイチゴショートだった。

 ケーキ箱の中にはイチゴショートが2個入っていたので、俺は自分の分だけ皿に取り、

 「どうも」

 と、自室に戻ったのだった。

 今になって思う。

 もしかしたら祖母は一緒に食べたかったのかも知れない。と。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ