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SHORTで、俺。  作者: SIN
中学校 3年

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石を投げる男児

 学校からの帰り道には大きな公園がある。

 噴水があって、ベンチがあって。

 雨が降っていない限り、その公園の噴水横のベンチに座ってノンビリと過ごした。

 缶ジュース1本分の時間。

 空を見上げて、流れる雲を見て、公園内に生えている緑を眺め、噴水の水しぶきを眺め。

 エサやり禁止の看板の傍でハトにパンくずをあげているオバサンを眺め、そのオバサンに「エサやるな!」と注意しているオッサンを眺め。

 たっぷりとノンビリした後、そろそろ帰ろうかと正面を見ると、そこにはいつからいたのだろう、小学生低学年くらいの男児が立っていた。

 全く見覚えもない男児は、俺の真正面2メートル程の距離にいて、キョロキョロと周りを気にしながら少しずつ距離をつめて来る。

 なんだろうか?と注意して見ていると、その男児は石を隠し持っている事に気が付いた。

 嫌な予感がする。

 いやいや、そんなまさか。

 ジッと男児を見ているとドンと片足が前に出て、石を持った右腕を振り上げ。

 ガコン。

 3センチ程の小石がベンチに当たった。

 確実に狙われた?

 どういう意図で?

 男児を見詰めると、男児も俺の方を見ている。

 石を投げて逃げて行ったのならまだ「いたずらか」で納得出来たというのに、逃げずにいるのはどういう事だ?注意をして欲しいのだろうか?

 どう対処して良いのかも分からずにいると、男児は2つ目の石を拾った。

 そして気が付いてしまった。

 男児は俺の方を見ている。それはもう熱心な視線で。しかし、俺と目は合っていない。

 攻撃の矛先は俺ではなく、他の何か?

 まさか、と思いながら立ち上がり、ササッと歩き出した直後に聞こえたのは、

 ガコン。

 男児が何かを狙って石を投げた音だった。

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