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髪色
赤、青、茶色、緑。そして金。
やった事のある髪の色。
1番似合わなかったのは緑で、朝のHRにやってきた担任に「なんじゃそらぁ!」と言われたほど可笑しかった。
なので当然呼び出しを受ける事になった。
生徒指導室に連れ込まれ、髪色についての説教が始まる。と思いきや、教師は最初に尋ねてきた。
「その髪は、ポリシーか?」
行き成りの英語である。
なんとなくで使っていたポリシーという単語の詳しい意味を知らないので答えが見当たらない。
黙っている俺に教師は続けた。
「外見で人を判断するなって言うけど、身なりってのはまず1番に認識される部分やろ?それでもその髪を続ける事は木場にとって重要か?」
なるほど、と思った俺は、
「そこまでじゃないです」
と、指導室を後にした。
その日のうちに長かった髪をバッサリと切り、徐々に伸びてくる髪を見て発見した。俺に似合う色が分かったのだ。
それから中学を卒業するまで、1度も脱色しなかった。




