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SHORTで、俺。  作者: SIN
中学校 3年

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ぬりえ

 小雨が降る中、俺とヒロ、ヨネゾーとタム、そしてタムの恋人と、タムの恋人の友達の6人で電車に乗っていた。

 名目はタムの恋人の友達ケーコと、ヒロのお見合い作戦で、歴史好きのケーコの為に用意された舞台は大阪城。

 小雨の振る中、タムと恋人は相合傘……ではなく、タムの恋人とケーコが相合傘で、俺達は夫々自分の傘を差して歩いた為、ケーコとヒロの間に会話らしい会話はない。

 天守閣までの道中雨は止み、思い出作りとして写真を撮る。もちろんそんなものは口実で、写真の構図のため、とか言いながらケーコとヒロを密着させるのが目的だった筈なのだが……。

 「ヒロもう1段上。ヨネゾーは1段下がって、タムはヨネゾーの1段上!」

 かなり急な階段を舞台に、ガッツリとした写真を撮ってしまった。

 天守閣に到着する頃になって再び降り出した雨。学生証を提示して無料で天守閣の中に入った俺達は、特になんの示しもつけていないのにバラバラになり、タムは恋人とデートを楽しみ、ヒロとヨネゾーは景色を楽しみ……展示品を熱心に眺める俺と、ケーコ。

 そうしてポツリと教えてくれた。

 「恋愛に興味ないねん」

 と。

 どうやら、友達を紹介する!と言うタムの彼女の勢いに負けて来ただけで、恋人を作る気は更々ないらしい。

 「そうなんや。じゃあ、何やったら興味ある?」

 「漫画かなぁー。あ、そうそう、小説読んだで」

 「え?」

 ケーコは、1年の頃に書いた俺の処女作を読んだ事があるらしく、更にはそこに描いたラクガキ程度の挿絵まで覚えてくれていた。そして更に……

 「何ページ目か忘れたけど、登場人物の2人に色塗ったん私―」

 と。

 そうなのか!

 そこから塗り絵も好きだと言ったケーコは、俺の絵が塗りやすかったと結構大袈裟に何度も褒めてくれた。

 雨脚が強くなる中帰路につき、自室に入った所でメモ帳を広げる。そしてボールペンで絵を描いた。

 5枚程だっただろうか、それをクリアファイルに挟み、翌日、ケーコに渡した。

 「描いたから、好きに塗って……イランかったら捨てて」

 クリアファイルを受け取ってくれたケーコは、昼休みに色を塗り終えた絵を2枚見せに来てくれた。

 「塗ったで!やっぱりえぇわぁー。また描いてくれたら嬉しい!」

 と、俺を褒めながら。

 えぇ、えぇ。

 追加で何枚も描きましたとも!

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