スピーチ授業
極度のあがり症である俺は、教卓前に立たされるだけで足が震え、汗が吹き出る。
汗の出し過ぎで熱いのか寒いのかも分からなくなり、頭が真っ白になってしまう。
「次は木場」
名前を呼ばれ、原稿用紙を手に教卓の前に立つ。
正面を向くと無数に見える人の目。
原稿用紙を熱心に見ていれば人の目なんか気にならない筈。そう自己暗示をかけていたというのに何の効果もなく、汗が噴出す。
中学の国語の授業にはスピーチ授業があり、1回の授業につき3人程度クラスの皆の前でスピーチしなければならなかった。テーマはフリーなので何を書いても良かったが、ソレがまた難しい。
見ている側はそのスピーチに対しての感想と、基本的なスピーチ力、声の大きさ、分かりやすさ、表現力を5段階評価しなければならない。
第1回目のスピーチに何を書いたのかは忘れてしまったが、教卓前で完全に頭が真っ白になってしまい、原稿を顔の前に広げ、書かれている文字をただただ読んだ事は覚えている。そしてそのスピーチに対するクラスメートの酷評も……。




