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SHORTで、俺。  作者: SIN
中学校 2年

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留守電

 朝、学校に出る前に何気なく確認した郵便受けの中になにかが入っていた。

 普通に手紙だと思って郵便受けから取り出してみると、透明なナイロン袋にティッシュに包まったハガキサイズの何か。

 なんだろう?

 ナイロン袋からティッシュに包まれたハガキサイズの物を出して見てみれば、それはハガキでも手紙でもなくて8枚の写真だった。

 あて先や名前が何処にも書いていない、切手も貼られていない不審な郵便物。

 直接郵便受けに入れられた証拠だ。そして、その8枚の写真の被写体は、全てカメラ目線ではない俺であると言う2重苦。

 きっと、ヒロ達と遊びに行った時に撮った写真を、わざわざプリントアウトして郵便受けに入れたんだ。そうに違いない!

 しかし、学校に行って確認してみても写真の事は知らないと言うばかり。

 だったら……電話のヤツの仕業?だとしたら、ご近所に住んでる?

 大阪の人はお好み焼きをおかずに白飯を食べるのか?とか聞いてきたくせに、自分も大阪の人間なんじゃないか、ハハハ……。

 怖いわ!

 それから数日間は特に何も起きず、徐々に恐怖心は薄れ、更には“終わった事”として脳内処理された頃。

 ピロリロリン♪

 電話がかかって来た。

 「はい」

 「ピィイイイ……あぁ、ごめんなさい。もしもし」

 この音は?

 一気に蘇る記憶。

 え?電話してくるなって言わなかったっけ?なのに、どうして普通にかけて来るんだ?しばらく時間を空けたからそれで良いと思ってるのか?

 プツッ。

 電話を切った。すると即刻かかってくる電話。

 ピロリロリン♪

 ピロリロリン♪

 ピロリロリン♪

 またズット鳴っている。またあの無駄な時間を繰り返すのか?

 こうなったら……!

 必殺奥義、留守電!

 “今出られへんから、名前とメッセージ入れといてー”という、物凄くやる気のない留守電メッセージが微かに聞こえてきて、スグにプツッっと切れる音がした。

 なんだ、これで良いならもっと早くにやっとけば良かった。

 ピロリロリン♪

 ピロリロリン♪

 ピロリロリン♪

 “今出られへんから、名前とメッセージ入れといてー”

 ピィー……。

 あれ?切れないぞ?

 「今出られへんから、名前とメッセージ入れといてー」

 ん?

 留守電に入ったのは、紛れもなく俺の声。

 ヤツは、俺の留守電の音声を録音して、それを留守電にいれるという手間のかかる事をやってのけたのだった。

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