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SHORTで、俺。  作者: SIN
中学校 2年

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携帯

 恋人と言うよりも友達。

 そんな付き合いを細々と続けていたある時、昼休み中だったか放課後だったか……携帯を貸して欲しいと頼まれた。

 携帯を持っている筈なのに何故?と思ったが、止められているからと説明してきたので快く貸した。

 当然、ちょっと電話したりメールしたりしてスグに返してくれてる思っていたからこその行為だった訳なのだが、

 「今日1日貸してて」

 とか言われた。

 でも、俺が連絡をする相手なんてのはヒロとヨネゾーと恋人の3人位しかいなかったので、それでも俺は快く貸したのだった。

 当然、翌朝には返してくれると思っていたからこその行為だった訳なのだが……

 「今日も1日貸しといて」

 と、朝の挨拶もなく言われた。

 けど、学校にいる間なら特に形態は使用しないし、別に良いか。と、快く了承した訳だったのだが、それが駄目だったのだろう。

 「充電器貸して」

 と、実に分かりやすく3日目も貸して欲しいと意思表示したのだ。

 流石に可笑しいと感じたので

 「いや、そろそろ返して」

 と言ってみたのだが……

 「なんで!?今使ってるんやけど!」

 物凄い勢いでキレられた。

 その勢いに完全に負けてしまった俺は充電器を手渡し、4日、5日と携帯のない日々を過ごした。

 「なぁ、なんで貸しっ放しなん?」

 俺と連絡が取れない事を不便に感じたらしいヨネゾーが尋ねてくるが、理由なんて1つしかない。

 「返せって言うたら怒るから」

 「いやいや、いやいや!可笑しいやん!?」

 かなり大声でヨネゾーは驚いていたが、俺にだって考えはあった。携帯代を業と支払わずに止められてしまおうと。そうすれば自ずと携帯を返してくれるだろうと。

 「アレやな、やっぱ人間って信じたらアカンねんな」

 「ちょっと一緒に言うたるわ。行こ」

 2人がかりで説得を開始するも、恋人は「ヨネゾーは関係ないから黙ってろ」と強気で、俺に対しても「陰口言うとか最低」とかなんとか。

 イラッとした。

 何だか、物凄くイラッときた。

 「じゃあ今月の携帯代お前が出せよ!?」

 結構な大声で言ったと思う。

 すると恋人は鞄の中から携帯と充電器を取り出すと、

 「じゃーもうえぇわ!返したらえぇんやろ!?」

 と、机の上に置いた。

 逆ギレしたまま荒々しく携帯を返してきた恋人と、俺に携帯が戻った事を喜んでくれるヨネゾー。

 恋人って必要なのだろうか?

 不思議になってしまった俺はその後、恋人からの連絡を時折無視するようになった。

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