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SHORTで、俺。  作者: SIN
中学校 2年

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路上ライブは?

 キラに呼び出された。

 ゲームセンター前のベンチまで来い。と、確かこんな感じだったので、俺はてっきり彼女がいる事をばらされたキラが怒って、なにか恐ろしい仕返しをして来るのではないか?と思っていたのだが、実際ゲームセンターに行ってみれば、キラは2階で友達に囲まれて楽しそうにゲームしていた。

 ゲームオーバーになるまで待つか。

 と、外のベンチに座って待つが一向に出て来ない。

 そうだった、キラはちゃんと待ち合わせに来た試しはないんだった。

 呼びに行く?いや、文句を言われると分かっていながら態々呼びに行くのも可笑しな話だ。けど、このまま帰ったら「何で来なかった!?」とか言われそうだし……。

 ボンヤリとベンチに座りながらどうしようかと考えていると、無言で隣に座ってきた人物が1人。

 シマ君さんだ。

 「木場君っけ?上にタロー(キラの事)おったで」

 多分キラから聞いたのだろう、シマ君さんは俺の名前を知っていた。しかし、散々ミスギと呼んでおきながらも“木場”と教える所が妙に面白く感じた。

 「呼び出されたんですけど……ゲームしてるし……」

 いつかのキユウみたいな事を言っている自分も面白い。

 「呼んでくるわ」

 シマ君さんはゲームセンターの中に入って行き、しばらくしてキラが1人でベンチまでやってきた。

 「……よぉ」

 何だ何だ?普通に挨拶してきたぞ?

 「え、あ……うん。えっと、何のよう?」

 「今週の日曜、大阪城でやってる路上ライブ見に行くから、あいつらにも言うといて」

 あいつらって?

 彼女であるキユウには自分で言えるだろうし、第一連絡先を知ってるだろ。カズマには、連絡し辛いだろうから仕方ないけど。

 それにしても、こんな解散寸前のメンバー総出で路上ライブを見に行く理由はなんなのだろう?

 向かえた日曜日。

 物凄い事に、キラは待ち合わせ場所にいた。それには彼女であるキユウもビックリしていたのだが、更にキラの隣にシマ君さんがいる事が不思議で仕方がなかった。

 それでも至って普通に電車移動が始まり……少しばかり乗り物と人に酔ってしまった俺は大阪城公園に着いても元気良く歩き出す事は出来ず、前を歩くキラとキユウから徐々に遅れ始めた。

 「えぇから、行って」

 隣にいようとするカズマに声をかけると足早に2人を追いかけて行き、後に残ったのはシマ君さん。

 ライブが行われているのは駅を出てスグの所との事前情報だったにも関わらず、特に誰も演奏していなかったと思う。

 ただ、キラ達と逸れていたので、俺が明後日の方向に歩いていただけなのか……人に酔っていたせいで無意識に人のいない場所を目指しただけなのか……どちらにしてもシマ君さんを巻き込んでしまった。

 これでは駄目だとキラの携帯に連絡をするが、出ない。ならばとカズマに連絡を取ると、2人と逸れたのだと言った。

 もしかしたら2人きりでデートを楽しみたいのでは……と、カズマには少々気の毒な事が頭に浮かんだものの、どうして良いのかは分からなかったので、俺はその後至って普通に大阪城を巡ったのでした。もちろん、天守閣の中にも。

 そんな俺の隣には、

 「記念コインまで買うん!?」

 と、驚きの声を上げるシマ君さんがいた。

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