表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
SHORTで、俺。  作者: SIN
中学校 2年

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

255/485

赤い歴史 ※

 タムの家にヨネゾーと共に招かれた時の事、そこにはタムの彼女と、その彼女の友達もいて、俺を合わせて5人いた。

 少し病んでいる方がモテる。

 そう中二病っぽい事を本気で信じていたらしい女子2人はカバンの中にカミソリを入れていて、時々それを取り出して刃を手首にあてていた。

 タムは、この彼女の行動を止めさせようと色々奮闘しているようで、その行為が可笑しい事を第三者の俺とヨネゾーに指摘して欲しい。という願いをもっていたらしい。

 しかし、俺は全く逆の行動を取ってしまったのだ。

 切欠は彼女のこんな一言、

 「その戸の下にある赤いシミ、アレは私の血」

 指差されている所には綺麗な赤色のシミが1つ。

 誰が見たって絵の具かなにかだ。

 「血じゃないですよね?」

 あまりにも可笑しくて指摘すると、タムが俺の痛めている左腕を強めに掴んだ。

 「あんまりアイツ刺激すんなや。アイツなら、やりかねへん」

 どうやらタムまでもがこの鮮やか過ぎる赤を血だと思っているようで、俺は黙っておく事が出来なくなった。間違いを間違いだと言わなければならないと思ったのだ。

 もしかしたら左腕を掴まれた事で少々イラッとしていたのかも知れない。

 彼女からカミソリを拝借した俺は軽く親指の爪の付け根を切り、染み出る血を赤いシミの横につけた。

 「これが血の赤ですよ」

 残念な事に、部屋にいた5人の中で1番病んでいたのは、俺だったのだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ