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SHORTで、俺。  作者: SIN
中学校 2年

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バスケ部

 放課後、いつものように部室で着替えていると1年がやってきて、

 「先輩、おはよーございまーす」

 と笑顔を向けてきた。

 先輩、と言う単語に慣れるまでに結構な時間がかかってしまった程嬉しかった。

 そんな和気藹々としていた雰囲気を壊してしまうイベントが起きた。

 他高生との練習試合である。

 1年の時は成す術もなく爽快に負けた相手ともう1度試合をする事になったのだ。3年はもちろん2年の何人かも「試合には俺が出る」と名乗りを上げた。

 メンバー決めの為の練習試合を何度か行った後、顧問によりメンバーが発表された。

 3年は全員選ばれるのだろうと思っていた予想を遥かに裏切り、顧問はシュートが上手い1年と、ポイントガードのポジションにシュートすら満足に入れる事が出来ない俺を指名した。

 「何の役にもたたんやん!」

 「なんでコイツやねん!」

 ごもっともな台詞を大声で言う3年と、確実に笑いを堪えている1年諸君。

 俺自身、顧問による冗談だろうと思った位。

 「1回練習してみよか」

 顧問の号令で始まった練習、普段全然回って来ないボールがドンドコ回ってくる。そして俺は自分の頭の悪さを痛感する事になった。

 赤と白のゼッケンを着けて試合をするのだが、試合が始まると俺は先輩であろうとも番号で呼んでしまうのだ。

 同じ色のゼッケンで仲間と認識し、番号確認。それが一体誰なのかまでは頭が回らないと言うアホっぷり。

 なので、リバウンドを取ったのが味方である場合声に出るのは、

 「5番こっち!」

 こんな感じになる。

 こうして始まるのが先輩方による教育的指導と、地獄の特訓。

 ただでさえ体力の低い俺が地獄の特訓になど耐えられる筈もなく、数日で左腕を痛め、試合に出る事が出来なくなって、そのままバスケ部をコッソリ辞めた。

 バスケをやれば身長が伸びると聞いていたし、それを信じていた訳なのだが、小学5年からバスケを続けたにも拘らず、俺は相変わらず「前にならえ!」で腰に手を当てるバージョンしかした事がないのであった。

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