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SHORTで、俺。  作者: SIN
中学校 1年

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バレンタインの前日

 バレンタインの前日、俺はスーパーのチョコ売り場にいた。

 祖母はバレンタインだからチョコを渡す。と言う事をしないので、弟は母達が出て行ってからチョコをもらえるアテがいない。

 そんな弟は甘党。

 こんな経緯から俺は毎年チョコを買って親父と弟に渡していた。

 今年も1番安い板チョコで良いか。

 と思ったのだが、流石バレンタイン前。チョコ売り場には俺以外にも沢山人がいた。それも女性が多い。

 「なに作る?」

 「トリュフかなぁ」

 「ケーキは失敗が怖いしなぁ」

 板チョコのある棚の前で話している女子達の会話を聞き、手作りかぁ……などと考えた俺は、とりあえず板チョコを2枚とアーモンドを購入し、駅前にあるバラエティーショップにまで足を運び、恐ろしいまでの人ごみに紛れてハート型のチョコレートカップと、パフ、ストロベリーチョコを買い足して帰宅した。

 ザクザクザクザクザク。

 チョコが溶けないように暖房を切り、ビニール手袋を手にはめ、包丁で意外と硬いチョコを刻み、湯銭で溶かす。50度と詳しい温度指定があったが、溶ければ良いんだろうと温度計は使わなかった。

 溶かしたチョコをカップに入れて、上にアーモンドを置いたり、下半分ストロベリーチョコで上半分普通のチョコの2層にしたり、パフを入れたり。

 色んな種類を作った。

 途中でカップがなくなったので、余ったチョコとパフと砕いたアーモンドを混ぜ合わせて丸めただけのモノも何個か。

 こうしてバレンタイン当日、小皿2枚にカップチョコを並べ、親父と弟にそれぞれ手渡した。

 カップは小さいので作る時に結構苦労した訳なのだが、弟は真っ先にただ丸めただけのチョコを手に取って口の中に入れ、カップに入ったチョコも食べてから感想を言った。

 「この丸いのが1番好き」

 美味しさと手間は、比例せず……。

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