表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
SHORTで、俺。  作者: SIN
中学校 1年

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

236/485

買い物

 母が出て行ってから少しの間、祖母が夕食の支度をしていた。

 家族揃って食卓を囲む。なんて習慣がないので、各自腹が減った時に食べると言うスタイル。

 煮物を大なべに作り、各自食べる分だけを電子レンジで暖めて食べるとか、カレーとか。食べやすいものが多かった。

 しかし、元々料理が苦手だったらしい祖母は煮物すら作るのが面倒になったのか出来合い物が増え、そして終に…。

 弟は鰻が好きで、俺は肉が好き。それを知っていた祖母は、月水金は鰻で火木土は豚ロースステーキ。日曜日は親父が作るので何もしない、という驚愕的な献立を仕上げたのだった。

 いくら鰻が好きでも、どれだけ肉が好きだろうとも、流石に飽きる。

 素直に飽きた事を告げて、新たに出て来るようになったのは焼き魚。

 魚はアレルギーで食えないと説明したがただの好き嫌いだと思われてしまい、ならば夕食の準備は俺がやる。と。

 こうして俺はスーパーで買い物をしてから帰宅すると言う習慣を身に付けた。

 スーパーには他にも生徒が沢山いて、買い物カゴの中はパンやら菓子、ジュースと学生らしいラインナップ。それに引き換え俺のカゴの中には、肉やら野菜と所帯染みた品々。それがどうしても恥ずかしかった俺は、カゴを使わず目当ての物を高速で選んでレジに行くという早業を会得した。

 献立を予め決めておき、買うべき物を最小限に抑え、必要なものが売っている棚に直行、そしてレジへ。しかし店側はカゴを使わずに両手に食材を持つ俺をただの万引き犯と思ったのだろう、スーパーに行くとカゴを持った店のオッサンが「使ってください」と来るようになったのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ