色気が
4人の生徒による「腐女子の書く物語よりも良い物を書こう大作戦」の小説がいよいよ完成に近付き、俺達はまた大きな壁にぶち当たった。
全員の意見の一致により夜の営み的なシーンを入れないと言う事は決定していたのだが、最後まで何もなしではBL小説とは言えないのではないだろうか?となり、じゃあラストにキスさせて終わろうと言う感じで決まりはしていた。
さて、キスである。
普通にチューでは王様ゲームと変わらないし、事故的な感じで触れるだけと言うのもいちいちラストでするようなキスではない。なら、ラストの後に夜の営み的な事を想像させるような色気のあるキスを表現しなければならない。
さて、どうする?
そういう色気のある場面に遭遇した事がない者が4人集まった所で、書けないものは書けない。
そして演技をして感覚を掴もう大作戦が決行されたのだが、
「お前唇ガッサガサやないか」
「この時期乾燥するもん」
「ガッて笑ったらバリッて行く感じ?」
「リップあるで、薬用のん」
色気は全速力で逃げて行った。




