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SHORTで、俺。  作者: SIN
中学校 1年

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232/485

他人事

 隣にいたヒロが、頭を押さえたまま呻き声を上げている。

 目の前に立っていたヨネゾーも、同じように頭を押さえ、苦しそうに顔を歪めている。

 俺は2人を眺めながら、特になんともせずに立っていた。

 「うぅ……」

 2人からもれる苦痛に満ちた声に心を動かされる事もなく、時々恨みの篭った目で見つめられても他人事だった。

 それはそうだ、俺は苦しくもなんともない。

 本当に他人事だ。

 「お待たせー」

 少しして後ろからタムがやってきた。

 その手には、買ったばかりのかき氷。

 ガツガツと美味しそうに食べているが、俺は知っている。もうしばらくもしないうちにタムも2人と同じ目に遭うという事を。

 「うぅ……」

 ホラ。

 俺は頭にキーンときている3人を眺めながらカキ氷を食べている。

 「なんでキーンってならんの?」

 いち早くそのキーンとやらを克服したヒロが、またかき氷を口に入れながら尋ねてくる。

 「1回もなった事ない。どんだけ痛いん?」

 と、カキ氷をガツガツ食べてみるが、やはりなんともない。しいて言うなら口の中が冷え過ぎて感覚が鈍くなったくらいだ。

 「片頭痛の痛みに似てるらしいで」

 頭を押さえながらヨネゾーが教えてくれた。

 分かりやすい例えだったのだが、俺は更に分からなくなる。

 片頭痛は、それはそれはもう、何をどうやっても痛くて辛い。その痛みに似ているらしいキーンと言う現象。

 それなのに、何故皆はキーンと来ると分かっていながらカキ氷を食べるのだろう。

 暑いから氷を食べて涼しくなろうと言うのだろうか?それならば別にアイスとかジュースでも良いじゃないか。

 しかし、所詮は他人事。俺は3人をマゾと言う事にして自己解決させた。

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