ヒロイン決め
クラスの男子を登場人物としたBL的な物語。
それを書こうと言うのが当初の目的で、国語の点数が良かった男子を筆頭に4人集結し、合作にしよう!
と、ここまでは良かった。
一体誰をヒロインにしよう?
女子達が1度でもヒロインに選んだ事のある男子を選んだ方が良いと言う事で聞きに行ったのだが、なんと女子達はクラスの男子全員1回はヒロインにしていると言うのだ。
「コレを!?」
と、ヒロに向かって1人の男子が言うと、
「ヒドイワー」
と、泣き真似をするヒロ。
「あんたらの内の誰かでえぇんちゃうの?」
確かに書こうと言い出したのは俺達なのだから、ヒロインという恐ろしい役を俺達の誰かが担うのは当然と言われればそうかも知れない。
「ジャンケンで決める?」
「くじにしようや」
「公平に多数決で」
次々と上がって行くアイデアに、俺も
「1番女子っぽい反応した奴でえぇんちゃう?」
と言ったのだが、3人の様子が可笑しい。
「え?ちょっと、こんな所で?」
「何する気ぃや!?」
「木場のエッチィ!」
俺の言い方が、最高に悪かった。
特に何も決まらないまま数日が過ぎての日曜日。ヒロインだけでも決めようという事でヒロの家に集まった。
しかし、途中からヒロと1人の男子はゲームを始め、俺は俺でネットサーフィン。残ったもう1人も暇さに負けてウトウトしていた。
そんな時だった。
ネットサーフィンをしていると、何故だろう、かなりの高確率でエロかグロか心霊に辿り着く。こうしてビックリフラッシュに辿り着き、その動画を見て思わず体が跳ねた。
「どした?」
ゲームがひと段落着いたのか、ヒロが俺に近付いてくる。
「コレ。見てみて」
椅子から立ち上がってヒロを座らせ、ビックリ映像の再生をクリック。
「……っとぉ」
ビックリしているようには聞こえない声をあげた。
「なに?どしたん?」
次に近付いてきたのはゲームをしていた男子。
ヒロは黙って椅子から立ち、不思議そうに男子が座る。そして再生ボタンをポチ。
「……のわぁ!」
結構な声量で、椅子からも立ち上がった男子は、それを誤魔化そうとするかのように、
「起きぃ」
と、眠っていた男子を起こす。
「あー、寝てた?ゴメンゴメン」
目を擦りながら「んー」と伸びた男子を椅子に座らせ、目が開いている事を確認してから再生ボタンクリック。
「……っ!!」
両手で口元を押さえ、大きく目を見開いていた。
ヒロインは、決まった。




