処女作
小説を書き始めた切欠は、単なる仕返しだった。
中学時代、クラスには隠す事も恥じる事もなく、大声で腐女子と名乗る女子がかなり大勢いた。
漫画のようなシチュエーションを作る為、文化祭で女装コンテストを提案する位凄かった。
そんな腐女子に1人、綺麗な緑色のノートを常に持ち歩いている子がいた。かなり目立つのでよく目が合ったりしたのだが、その度にニコリと微笑んでくるので、釣られて微笑んで過ごしていた。
ある日、その女子の持っているノートが食堂に置きっぱなしになっていた。
既に何人かの男子生徒により読み回しがされており、無言で回ってきたそのノート。
クラスの生徒を登場人物としたBLやGL的な物語が綴られていた。しかも、挿絵付き。
こうして腐女子ではない生徒達による、腐女子を登場人物としたGL的な物語を書いて対抗しよう作戦が始まったのだが、早速壁にぶち当たった。
女子の構造が全く分からない。
そして少しだけ作戦内容が変えられた。
腐女子の書く物語よりも良い物を書こう大作戦、だ。
そんな経緯で書き上げた4人の生徒による作品は、間違いなくBL作品になるのであった。




