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SHORTで、俺。  作者: SIN
中学校 1年

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211/485

昼休み

 ボッチである俺だが、決して、決して暗い性格ではない。と、思う。

 だから、贔屓される側の生徒とか、されない側の生徒とか、そんなくだらない区別がない環境に来れば、ノンビリとした生活が送れるんじゃないかと思っていた。

 目立った事さえしなければ標的になる事もない。

 目立つ理由さえなければ、ボッチの俺の存在感などないに等しい。

 だから、大丈夫。

 新しい環境に来たんだから、もうイジメなんて無縁の生活が送れる筈だ。

 そう思っていたのに“コイツのオカン出てってオランねんで”

 早速目立ってしまった。

 後ろの席の男のあだ名はヒロ。直接本人から聞いた訳ではないが、そう呼ばれているのを日に何度も聞いていたから、興味がなくても覚えてしまった。

 昼休みになるとヒロの所に米山と村田が集まり、3人で黙々と弁当を食べる。

 食べている間は無言で、食べ終わった順からボツボツと会話が始まり、最後は3人でワイワイと楽しそうに会話を始める。

 その間俺は眠る事も出来ず、緊張しながら姿勢良く弁当を食べていた。

 それが普通になった頃、

 「なぁ、前の人―」

 昼休み、弁当を広げる俺の後方から声が聞こえた。

 食べている最中に話し出す事も珍しいし、俺に話しかけてくる事も珍しかったのだが、同じ小学校出身の2人を見るのが嫌で、振り返りもせずに無視した。

 「なぁって」

 今度は背中を突かれる。流石に無視し続けるのも気が引けてきたので、

 「なんですか?」

 振り返らずに尋ねた。

 「なんで怒ってんの?」

 はい?

 何?どう言う意味?

 俺の態度が気に入らない。と言う大義名分を元に、また何かが始まるのか?

 手元には3分の1ほど食べ終えた弁当。

 緊張感で食欲が失せているので、これでも腹は満たされている。そして後ろには俺の機嫌が悪いと勘違いしている生徒が3人。

 俺は弁当を鞄に仕舞ってから振り返ると、怒ってはいない事を説明した。しかし全く信じてもらえていないらしく、ムッとした顔だ。

 こういう時に何を言っても無駄な事を俺は良く知っている。寧ろ言い訳をすればするほど何も信じてもらえなくなる。こんな時の正しい対処法はたった1つ、

 「トイレに行くので」

 退却。

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