表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
SHORTで、俺。  作者: SIN
中学校 1年

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

207/485

黒縁眼鏡

 入学祝に新しい眼鏡を買ってもらった。

 前の壊れた眼鏡のレンズは保管していたので、それを使って少しでも安く眼鏡を作ろうと思ったが、視力は更に悪くなっていたし、大きさも合わないと店の人に苦笑いをされてしまった。

 新しい眼鏡のレンズは、度数は上がっているが以前よりも薄型で、UVカット。フレームも米神に食い込まずにかけ心地も良い。

 ただ、黒縁眼鏡で、いかにも真面目!と言うデザインだった。

 まだそれが似合っていれば救いがあるが……。

 そんな眼鏡だったので授業中にしかかけたくなかったが、入学式にはクラス表を見なければならないので眼鏡は必須。

 1年A組の教室に入り、自分の机を確認して座り、自己紹介文などを既に頭の中で考えていると、A組の教室に担任である男性教師が入ってきた。

 1人1人簡単な自己紹介をしながらの名前確認。

 俺の順番か来た時、担任はそれまで黙って生徒の自己紹介を真剣に聞いていた。

 それなのに、

 「木場SINです。よろしく……」

 「おい木場」

 途中で遮ってきた。

 流石に名前だけじゃ短過ぎだろうか?

 だからって他に何も言えば?

 焦る俺を他所に、担任は教卓を離れて近付いてくると真横に立った。

 「え、と……」

 どう対処して良いのか分からずにいると、

 「眼鏡取ってみ」

 と、言われた。

 俺の前の奴も眼鏡をかけていたと言うのに、取るようには言われていない。

 何故自分だけ?

 だけど、言われてしまえば取るしかない。

 眼鏡を外して机の上に置くと、さっきまではハッキリとしていた視界がボンヤリとして、そのお陰で顔が上がり、担任の顔があるだろう場所を見上げる事が出来た。

 「はい……」

 取りましたよ。そう自己主張するとポンポンと頭を2回軽く叩かれ、

 「取ってた方がえぇわ」

 と、言われた。

 新しい眼鏡は、それほどまでに似合っていなかったのだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ