表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
SHORTで、俺。  作者: SIN
小学校 高学年

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

199/485

降りる人優先

 学校から帰宅し、ランドセルを置いた後は即効外に出て時間を潰してから帰る。

 そんな習慣が身についてしまっていたので、毎日7時頃までは外にいた。

 自転車で河川敷を走ったり、わざと道に迷って「帰られるか?」と言う遊びをしたり、快適なデパートの中で立ち読みをしたり。

 冬になるとデパート率がグンと高くなったものだ。

 本屋があるのは7階で、6階は文豪具や玩具。1階から5階は服や化粧品、装飾品などで興味はなく、俺は1階からエレベーターに乗って6階まで行き、文房具を見てからエスカレーターで7階に行って立ち読みをしていた。

 その日も俺は6階に向かうべくエレベーターを待っていた。

 上から降りてきたエレベーターは一旦地下まで下がった後1階にやって来ると、ポン♪と開いた。

 さぁ、乗ろう。

 そう思って1歩前に足を出すと、エレベーターの中から1人のオッサンが足を1歩前に出してきて、両者一歩も動けず!状態に。

 物凄い眼光で俺を睨みつけて来るオッサンの体格はガッシリとしていて、横にいる奥さん?がかなり小さく見えた。

 その小さく見える奥さんはオッサンの腕を掴んで引っ張っているが、オッサンは俺から視線を外す事はなく、

 「降りるモンが先じゃ!」

 と大声で怒鳴りながら俺を両手で突き飛ばし、最近の若いモンは……みたいな文句をブツブツ言いながら立ち去ってしまった。

 尻餅を付いてしまった俺は、立ち去っていくオッサンの後姿と、無常にもドアが閉まり上に向かうエレベーターを呆然と眺める事しか出来なかった。

 確かに、降りる者優先だから悪いのは俺の方だったのだろう。しかし、だからって何も突き飛ばす事はないんじゃないだろうか?

 と、今でも少し考えてしまう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ