表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
SHORTで、俺。  作者: SIN
幼稚園 年少組

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

19/485

 犬は可愛いと思う。

 モニター越しで見る分には全く問題ないのだが、実際目の前に犬が現れると硬直してしまう。

 アレルギーではないが、舐められるとその部分が痒くなるので拒絶反応は出ているのだろう。

 俺は犬が「怖い」。

 初めて犬を見たのは幼稚園の頃。

 かなりご近所に犬を飼っている人がいたのだが、トタンで囲まれた場所にいたため鳴き声しか聞いた事がなかった。

 しかもその泣き声が普通の「ワンワン」ではなく「ガルルルルルウゥーーーグルルル」と常に何か警戒したような、そんな声だった。

 トタンの隙間から少しだけ中が見える、そう聞いて早速ブロック塀の上に乗っかって覗き込んでみると、茶色の物凄い大きな犬が立っていて、覗き込んでいる俺を睨み付けていた、そして

 「グルルル…ガルルルル」

 トタンがあるから大丈夫、結構離れてるから大丈夫。そんな余裕を物凄い勢いで覆し、犬は走ってくると俺の顔面目掛けて飛び掛ってきたのだ。

 咄嗟に後ろに避け、その拍子にブロック塀から落ちてしまったのだが、そんな痛みを気にする余裕など残ってはいない。

 俺の顔には犬の生暖かい息が確実に当たっていたし、トタンの隙間からは犬の鼻先が飛び出していた。

 もし、あのまま塀から落ちなければ顔を噛まれていただろう。

 幼稚園に行く道中には1軒の小さなお好み焼き屋があった。そこではマルチーズを2匹飼っていたのだが、来る客が常連ばかりだったのか放し飼いだった。それを知らずに店の前を通った時、1匹のマルチーズが飛び出してきた。ブンブンと尻尾を振っているがどうして良いのか分からずに硬直していると、もう1匹が店から飛び出してきて、その勢いのまま足を噛んできた。

 公園にいた時、1匹のラブラドールレトリバーがやってきた。勿論飼い主さんと一緒だったのだが、その飼い主は公園の敷地内に入るや否やリードを、外した。

 慌てて滑り台の上に避難し、恐怖のため犬から視線が外せない。すると犬と目が合った。

 ブンブンと尻尾を振る犬は次の瞬間、滑り台のはしごのようなあの階段を登って来たのだ。

 逃げ惑う俺を追いかける犬と、その様子を笑いながら見ていた犬の飼い主。

 こんな目に立て続けに遭えば誰だって犬が怖くなるだろう。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ